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iPS細胞株由来の腸管上皮細胞を用いたヒトノロウイルス増殖法を確立

2018年11月26日

大阪大学微生物病研究所の佐藤慎太郎特任准教授(常勤)(一般財団法人阪大微生物病研究会 BIKEN次世代ワクチン開発研究センター 粘膜ワクチンプロジェクト プロジェクトリーダーを兼務)らの研究グループは、倫理的制約をほとんど受けないヒトiPS細胞株から作製した腸管上皮細胞でヒトノロウイルスを増やすことができることを世界に先駆けて報告しました。本研究成果により、ヒトの組織を用いることなくヒトノロウイルスが「生きている」かどうかを確認することができるようになり、ヒトノロウイルスの正しい除染や不活化の条件を実験的に検証し、策定することが可能となりました。また、本方法により増殖させたウイルスを用いてワクチン開発やウイルスの感染能を測定するキット開発など、広く産業応用することも可能です。実際に研究グループは、数年前に日本で流行したGII.17という種類のノロウイルスを免疫することで、毎年最も流行するGII.4型のウイルスも中和できることを確認しています。さらに、試験管内で増やしたウイルスを用いて、ヒトノロウイルス研究の発展につながることが期待されます。

本研究成果は、米国消化器病学会の学会誌である「Cellular and Molecular Gastroenterology and Hepatology」に掲載されます。

タイトル:Human norovirus propagation in human induced pluripotent stem cell-derived intestinal epithelial cells

著者名:Shintaro Sato, Kota Hisaie, Shiho Kurokawa, Akio Suzuki, Naomi Sakon, Yohei Uchida, Yoshikazu Yuki, and Hiroshi Kiyono

※ ヒトノロウイルス

ノロウイルスはカリシウイルス科に属し、7種類の遺伝子群(GI~GVII)に分類されており、この中でヒトに感染するヒトノロウイルスはGI、GII、GIVである。それぞれの種でさらに複数の遺伝子型に分類され、GII.4型が例年最も流行するタイプである。感染性胃腸炎の原因の5~7割を占める感染症ウイルスで、非常に感染力が強く、乾燥しても感染力が数週間は失われないために、糞便や吐瀉物に含まれるウイルスが乾燥して空気中に散乱し、それを吸い込むことで二次感染を起こす人もいる。日本では11月から2月が流行のピークである。