これまでも、これからも
ワクチンが、社会を支える。

ワクチンは病を治す医薬品とは異なり、病を予防する薬。感染症の脅威から人々を守っています。
日本では、かつて多くの人々の命を奪ったジフテリア、日本脳炎、ポリオ、麻疹などのワクチンが定期接種化されており、これらの感染症にかからないことが当たり前の社会になりつつあります。
天然痘は世界から根絶され、ポリオも根絶に向けた計画が進行中であり、麻疹は排除に向けた計画が進められています。
しかし今もなお、私たちは新興感染症や再興感染症の脅威にさらされています。 現在も、世界中で優れたワクチンが求められており、感染症と人々の闘いは続いています。

日本における感染症の根絶・排除の歴史

こちらで紹介するワクチンは、現在使用されているワクチンの種類とは異なる場合があります。

ジフテリア

1948年 予防接種開始

49,864※1

1946年患者数(国内)

0※2

2021年患者数(国内)

1949年 BIKENのジフテリアトキソイドが承認取得

日本脳炎

1954年 ワクチン勧奨接種開始
1950年 BIKENの日本脳炎ワクチンが国家検定合格

5,196※1

1950年患者数(国内)

3※2

2021年患者数(国内)

2009年 BIKENの乾燥細胞培養日本脳炎ワクチンが国産第一号として承認取得

ポリオ

1960年 ワクチン勧奨接種開始(不活化ワクチン)
1964年 生ワクチン定期接種

5,606※1

1960年患者数(国内)

0※2

2021年患者数(国内)

1963年 経口ポリオワクチンが国産第一号として承認取得(生ワクチン、旧日本生ポリオワクチン研究所)

麻疹

1978年 定期接種開始

181,303※1

1947年患者数(国内)

2015年 麻疹排除国に認定※

2021年患者数
(国内)

6※3

世界保健機関(WHO)西太平洋地域事務局により、麻疹排除認定を受けました。排除達成の認定基準は、適切なサーベイランス制度の下、土着株による麻疹の感染が三年間確認されないこと、又は遺伝子型の解析によりそのことが示唆されることを言います。※4

1970年 BIKENの乾燥弱毒生麻しんワクチンが国産第一号として承認取得

世界的な根絶・排除計画

天然痘

1958年~世界天然痘根絶計画を実施。
世界を挙げて徹底的なワクチン接種を実施。

400※5

1958年推定死亡者数(世界)

根絶※5

1980年5月

ポリオ

1988年~世界ポリオ根絶計画を実施。
世界を挙げて予防接種を実施する取り組みを続け、症例数は99%減少。
世界からポリオを根絶するまであと一歩。

35※6

1988年 症例数(世界)

6※6

2021年 症例数(世界)

麻疹

260※7

1963年に麻疹ワクチンが導入し
普及する以前の症例数(世界)

12.8※7

2021年 症例数
(世界)

国を挙げた新しいワクチンの創出と生産体制強化に向けた取り組み

感染症の脅威から人々を守るワクチン。今回のパンデミックの経験から、ワクチンを国内で開発・生産することの大切さが強く認識され、ワクチンの迅速な開発・供給を可能とする体制を整えるため、国家戦略がまとめられました。ワクチン開発のための世界トップレベル研究開発拠点を形成、平時・緊急時ともに活用できるワクチン製造拠点の整備など、国をあげての新しい取り組みが始まっています。
大学発ベンチャーの先駆であり、国産ワクチンメーカーとして約90年の歴史をもつBIKEN財団。日本の公衆衛生により力強く貢献するため、アカデミアと連携した研究開発、緊急時にも対応できる生産体制など、さらに強化していきます。

  1. 一般社団法人 日本ワクチン産業協会 ワクチンの基礎2022
  2. 国立感染症研究所 感染症発生動向調査事業年報 2021年
  3. 国立感染症研究所 IASR Vol. 43 p211-213: 2022年9月号
  4. 厚生労働省「世界保健機関西太平洋地域事務局により日本が麻しんの排除状態にあることが認定されました」
  5. 国立感染症研究所 天然痘(痘そう)とは(https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/445-smallpox-intro.html
  6. WHO Poliomyelitis fact sheet(https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/poliomyelitis
  7. WHO fact cheet measles(https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/measles