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2026/08/20
BIKEN谷口奨学生OBのご紹介
BIKEN谷口奨学金制度はBIKEN財団が運営する奨学金制度で、微生物病等に関する研究を行う大学院博士課程の日本人学生および大阪大学微生物研究所が受け入れる海外留学生*を支援しています。
BIKEN海外谷口奨学生を経て、昨年10月より新しい環境で研究を行っているDaniel Semmyさんにお話を伺いました。
*海外留学生と国内奨学生では応募、採用条件が異なります。

2019年にインドネシアから来日しました。来日前は薬学部で植物の遺伝子組み換えの研究を行っていました。一方で、もともと創薬に興味があり、様々な研究をされている先生方の話を聞く中で老化研究に興味を持ち、将来のために脊椎動物などの研究ができる大阪大学微生物病研究所の石谷研究室の門を叩きました。研究の中心は、ターコイズキリフィッシュ(以下、キリフィッシュ)※1というモデル動物の研究を通じて小胞体ストレス※2という細胞ストレスの応答、特に老化ストレスに関するメカニズムの解明を研究していました。
およそ6年間の在学期間のうち、博士課程の3年間をBIKEN谷口海外奨学金制度にサポートをいただきました。支援のおかげで、研究に集中できたことに大変感謝しています。また、他の奨学生との交流を通じて学内のインドネシアからの学生等との繋がりを深めることができましたし、コロナ禍後には研究報告会などで他大学の奨学生との交流の機会もできました。私の研究はワクチンや微生物とは少し違う分野だったので、他の学生の色々な研究を知る機会ができたことも貴重な経験でした。
石谷研究室で修士、博士課程を修了後、2025年10月に卒業し、現在は、理化学研究所生命機能科学研究センターで時間発生生物学※3の研究チームに所属しています。
ここでは、キリフィッシュの発生休眠※4と呼ばれる現象の研究をしています。まずは、この研究で良い成果を出せればと思っています。また、これまでは基礎研究を行っていますが、先々はモノづくりや応用研究にも興味があり、基礎と応用の橋渡し役になれるよう研究を続けていきたいと考えています。
(写真:学生時代のDaniel さん)
※1 アフリカの乾燥地帯に生息し寿命がわずか数か月しかない小型淡水魚。短い寿命で神経変性や腫瘍形成など、ヒトと共通する様々な老化形質を示すことから非常に有用なモデル脊椎動物として注目されている。
※2 細胞内にあり、タンパク質が正常に機能することを助ける小胞体が、酸化ストレス、変異タンパク質の発現、酸素や栄養の不足などを受けることで変性タンパク質が蓄積される状態。
※3 受精卵から体がつくられていく「胚発生」のプロセスが、どのような時間的スケジュールや遺伝子の時計機構によって制御されているのかを解明する、生命科学の研究分野
※4 雨期と乾期で生きているキリフィッシュが持つ、水がなくなる乾期には自律的に発生が止まり、雨期になると発生・孵化する休眠メカニズム
★BIKEN財団では27年度BIKEN谷口奨学生を募集しています。(2026年9月30日17時応募締切)
2027年度BIKEN谷口奨学生募集について、詳細こちらをご確認ください。