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プレスリリース

2016/09/06

阪大微研会、ジカウイルスワクチン開発開始 千葉県衛生研究所とウイルス分与にかかる契約締結

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一般財団法人阪大微生物病研究会(本部:大阪府吹田市、以下「当会」)は、2016年9月2日付で、千葉県衛生研究所と、同所が国内で初めて分離に成功したジカウイルス(ウイルス株名:ZIKV / Hu / Chiba / S36 / 2016)の分与に関し契約締結を行い、ジカウイルス感染症ワクチン開発に着手いたします。 当会は、2016年度、日本医療研究開発機構(AMED)「新興・再興感染症に対する革新的医薬品等開発推進研究事業」の「国内侵入・流行が危惧される昆虫媒介性ウイルス感染症に対する総合的対策に関する研究」における「ジカウイルス感染症に対する試作ワクチンの研究」に参画し、ジカ熱ワクチン製剤の開発を分担しているところです。2019年度中の臨床試験開始を目指します。 今回の契約締結を受け、理事長の山西弘一は次のように述べています。「ジカウイルス感染症はその流行地域を日々拡大させており、特に、妊娠女性や新生児の健康を脅かしています。当会は、ジカウイルスと同じフラビウイルス科の日本脳炎ウイルスに対して、ワクチンを開発・供給してまいりました。今回、国内で分離されたジカウイルスの分与を受け、当会の知識と経験を活かし、有効で安全なワクチンをより早く創り出し、必要とする人々に届けることができるよう、研究開発に尽力してまいります。」

ジカウイルス感染症について

ジカウイルスに対するワクチンや治療薬は存在しません。ジカウイルスに感染した場合、2~12日の潜伏期間を経て、約20%の感染者が斑状丘疹、発熱(多くは<38.5 ℃)、頭痛、関節痛、筋肉痛、結膜炎、倦怠感などの症状を呈します。WHO(世界保健機関)は、2016年2月1日にジカウイルス感染による新生児の小頭症およびその他の神経障害の集団発生に関して、「国際的に懸念される公衆の保健上の緊急事態(PHEIC)」を宣言しました。日本では、感染症法により全数把握の4類感染症に指定されています。1)

参考 1)IASR Vol. 37 p. 119-121: 2016年7月号

以上

一般財団法人阪大微生物病研究会について

一般財団法人阪大微生物病研究会(阪大微研会)の歴史は長く、1934年に創設されました。以来80年余にわたり大阪大学微生物病研究所における先駆的基礎研究をもとに、新規ワクチン開発を行い、多くの重要なワクチンの製造・供給に従事することで、国内のみならず世界中の人々の感染症の予防に貢献してきました。当会の主なワクチンには水痘ワクチン、インフルエンザワクチン等が含まれます。これからも公益性を重視しつつ、事業の発展を目指します。全職員が使命感を持って高品質なワクチンの安定供給を継続するとともに、革新的次世代ワクチンの開発・提供を通じて、世界中の人々の健康ならびに生活の質(QOL)の向上に資する事業を推進してまいります。

本件に関するお問い合わせ先

一般財団法人阪大微生物病研究会 広報課
TEL:06-6877-4802 e-mail: biken-pr@mail.biken.or.jp