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2024/06/06

ウイルスの「生き残り戦略」をワクチンに応用!

「BIKEN次世代ワクチン協働研究所」は、BIKEN財団と大阪大学先導的学際研究機構とが連携して設立された研究組織です。10年以上先の次世代ワクチンを見据えた開発研究を行っています。新進気鋭のグループリーダーが中心となり、各分野の専門家とのネットワークを介したオールJAPAN体制で、日本発・世界初の次世代ワクチンの開発研究を推進しています。

現在、BIKEN財団で開発中の新型コロナウイルス生ワクチンの基礎研究も協働研究所で進められました。
協働研究所のグループリーダーである蝦名特任教授にお話しを伺いました。

BIKEN次世代ワクチン協働研究所ウイルスワクチングループ
グループリーダー 蝦名博貴(大阪大学先導的学際研究機構 特任教授)

ウイルスはライフサイクルが非常に速く、常に進化しているともいえます。増殖する環境に合わせて変異し、様々な性質を獲得する―ウイルスのその性質をワクチンに応用できることがあります。

一般的に新型コロナウイルスをはじめヒトに病原性を示すウイルスは、ヒトの体温付近(37℃)で良く増殖します。我々が開発中の新型コロナウイルス生ワクチンには、ヒトの体温よりも低い32℃で増殖する一方で、37℃では増殖しないという性質を獲得し、カラダ深部(内部)における増殖が制限されたウイルスを用いています。このような性質を示すウイルスは弱毒生ワクチンとして応用可能であることは古くから知られていることから、新型コロナウイルス生ワクチン開発のベースとなるウイルス株として選ばれ、結果として現在開発中の低病原性、高免疫原性の弱毒生ワクチン候補株ができました。

また、一般的に生ワクチンは変異したウイルスにも効果を示すことが多く、また効果の持続性も高いとされています。いま、ワクチン業界ではmRNAワクチンが話題となっていますが、BIKENが得意とする生ワクチンや不活化ワクチンの有用性や重要性は変わっていません。これからもBIKENと大阪大学で協力しながら様々な感染症に対する画期的な弱毒生ワクチンを研究開発していきたいと思います。

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